車検証、見積書、整備明細、査定の写真を1つのPDFにまとめて送ろうとしたら「添付ファイルのサイズが大きすぎます」と返ってきた。スキャナで取り込んだ書類が1枚で数MBになっていて、何枚か重ねただけでメールの上限を超えてしまった。整備工場や車販店の事務では珍しくない場面です。この記事では、PDFが重くなる原因、メールの容量制限の考え方、圧縮するときの解像度と画質の決め方、Word や Mac の標準機能でのやり方と限界を順に説明します。後半では、整備システム・整備ソフト DREAM POWER に搭載されている無料の業務ツール群 DP-BOX TOOL の「DPPDF」で圧縮する手順も紹介します。
PDFが重くなる原因
同じA4の1枚でも、PDFの容量は中身しだいで何十倍も開きます。違いを生むのは、中身が「文字のデータ」か「写真のデータ」かです。
- スキャンした書類:紙をスキャナや複合機で取り込んだPDFは、1ページがまるごと1枚の写真です。文字しか書いていない書類でも、画像として保存されるので重くなります
- 高い解像度で取り込んだ:解像度(dpi)を2倍にすると、縦と横の点の数がそれぞれ2倍になり、点の総数は4倍になります。A4を300dpiで取り込むと約2,480×3,508点、150dpiなら約1,240×1,754点です
- カラーで取り込んだ:白黒の書類をカラー設定のまま取り込むと、紙の地色のムラまで記録されて容量が増えます
- 写真を貼った資料:Word や Excel にスマートフォンの写真を縮小せずに貼り、そのままPDFにすると、元の写真の大きさがPDFに残ります
- ページ数が多い:1ページ1MBでも、20ページ束ねれば20MBです
逆に、Word や整備ソフトから直接書き出したPDFは文字がデータのまま入っているので、もともと軽くできています。こうしたPDFを圧縮しても、ほとんど小さくならないことがあります。重いPDFの多くは「画像が入っているPDF」だと考えると、対策の向きがはっきりします。
PDFが重い理由はほぼ画像
PDFの容量を決めるのは、ページの中に入っている画像の量と細かさです。Word などから書き出した文字中心のPDFは軽く収まることが多い一方、スキャンしたPDFは1ページ全体が写真として保存されるため、1ページで数MBになることもあります。解像度を300dpiから150dpiに下げると、画像の点の数は縦横それぞれ半分、合計で4分の1になります。カラーで取り込んだ白黒の書類も重くなりがちです。圧縮で大きく軽くなるのは、こうした画像の多いPDFです。文字中心のPDFが重いときは、埋め込まれた写真やロゴ画像を疑ってください。
メール添付の容量制限とPDFの目安
メールの添付には上限があります。上限はメールサービスや会社のメールサーバーの設定で決まり、送る側と受け取る側の小さいほうが実際の上限になります。公式に案内されている数字を表にまとめました。
| メールの種類 | 公式に案内されている上限 | 出典 |
|---|---|---|
| Gmail(個人用アカウント) | 添付ファイルの上限は25MB。超えると添付は自動的に Google ドライブのリンクに置き換わる | Google ヘルプ |
| Outlook でのインターネットメール(Outlook.com、Gmail など) | メールサイズの制限は20MB | Microsoft サポート |
| Outlook での Exchange アカウント(会社のメール) | 既定のメールサイズの制限は10MB | Microsoft サポート |
会社のメールサーバーでは、管理者がこれより小さい上限を設定していることもあります。取引先が受け取れるかどうかは送ってみるまで分からないため、1通の合計を数MBに抑えておくと、送り直しの手間が減ります。
Gmail のように上限を超えるとクラウドの共有リンクに切り替わる仕組みは便利ですが、受け取る側の会社がクラウドのリンクを開けない設定にしている場合もあります。お客様や保険会社、陸運関係の窓口に書類を送るときは、添付のまま届くサイズにしておくほうが確実です。
メール添付は何MBまでにするか
メール添付の上限は、Gmail の個人用アカウントで25MB、Outlook のインターネットメールで20MB、Exchange アカウント(会社のメール)の既定値で10MBと、各社の公式サポートに案内されています。ただし実際に届くかどうかは、受け取る側のメールサーバーの設定にも左右されます。上限を超えると送信エラーになるか、Gmail のように共有リンクへ自動で置き換わります。取引先やお客様に確実に届けたいなら、1通の合計を数MB程度に抑えるのが無難です。スキャンした書類を何枚もまとめる場合は、送る前にPDFのサイズを確認し、大きければ圧縮してから添付してください。
PDFを圧縮するときの解像度と画質の決め方
圧縮は、画像の点の数を減らすこと(解像度を下げる)と、画像の保存のしかたを粗くすること(画質を下げる)の組み合わせです。下げすぎると文字がにじんで読めなくなるので、用途から逆算して決めます。
| 用途 | 解像度の目安 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 画面で読むだけ(メールで確認してもらう) | 150dpi前後 | A4の文字なら十分に読める。細かい注記は拡大して確かめる |
| 相手が印刷する(契約書、申請の控え) | 300dpi前後 | 容量は大きくなる。ページ数が多いなら分けて送る |
| とにかく小さくしたい(参考資料、下見用) | 72dpi前後 | 小さい文字や印影がつぶれることがある |
車検証のように細かい文字や二次元コードが載っている書類は、下げすぎると読み取れなくなります。圧縮したら、必ず保存後のPDFを開き、いちばん小さい文字と印影、二次元コードが判別できるかを確かめてください。確認せずに送ると、相手から「読めないので送り直してください」と戻ってきて、かえって時間がかかります。
文字を残すか、画像として作り直すか
PDFの圧縮には大きく2つのやり方があります。1つは、文字のデータはそのまま残して、中に入っている画像だけを縮める方法です。圧縮後も文字の検索やコピーができます。もう1つは、各ページをまるごと画像として作り直す方法です。スキャンしたPDFや写真の多いPDFには効きますが、文字のデータは消え、検索やコピーはできなくなります。
Word などから書き出したPDFを画像として作り直すと、かえって容量が増えることもあります。文字中心のPDFは文字を残す方法、スキャンや写真中心のPDFは画像として作り直す方法、と使い分けるのが基本です。
圧縮で画質を落としすぎない決め方
PDFの圧縮では、画面で読むだけなら150dpi前後、相手が印刷するなら300dpi前後を目安にします。72dpiまで下げると容量は大きく減りますが、小さな注記や印影、車検証の二次元コードが読めなくなることがあります。解像度を半分にすると画像の点の数は4分の1になるため、300dpiから150dpiへの変更だけでも容量は大きく下がります。文字のデータを残す方式なら圧縮後も検索とコピーができ、ページを画像として作り直す方式ならスキャン書類が大きく軽くなる代わりに文字は画像になります。どちらの方式でも、保存後のPDFを開いて、いちばん小さい文字が読めるかを確かめてから送ってください。
PDFの軽量化を Word や Mac の標準機能で行う方法
専用のソフトがなくても、パソコンに入っている機能で軽くできる場合があります。それぞれの限界も合わせて書きます。
Word からPDFを作るときに「最小サイズ」を選ぶ
Word の文書をPDFにする場面なら、保存のときに選ぶのが早道です。「ファイル」>「名前を付けて保存」でファイルの種類を「PDF」にすると、最適化の選択肢が出ます。印刷品質より容量を優先する場合は「最小サイズ(オンライン発行)」を選びます。ただしこれは Word から新しくPDFを作るときの設定で、すでにあるスキャンPDFを軽くすることはできません。
写真を貼った文書なら、PDFにする前に Office の「図の圧縮」で画像を縮めておく手もあります。画像を選んで「図の書式設定」タブの「図の圧縮」から、用途に合わせた解像度を選びます。
Mac の「プレビュー」で「ファイルサイズを減らす」
Mac なら標準の「プレビュー」で、PDFを開いて「ファイル」>「書き出す」を選び、「Quartzフィルタ」で「ファイルサイズを減らす」を選んで保存します。手軽ですが、仕上がりの解像度を細かく決めることはできません。Apple のサポートにも、圧縮するとPDFの品質が元より低下する場合があると書かれています。
それでも小さくならないときは分けて送る
ページ数が多い書類は、圧縮だけで上限に収まらないこともあります。その場合は、送る相手に必要なページだけを抜き出すか、「1/2」「2/2」のように分けて送ります。PDFの分割やページの抜き出しはPDFを結合・並べ替え・分割する方法で手順を説明しています。
| 方法 | 向いているPDF | 限界 |
|---|---|---|
| Word で「最小サイズ」を選んでPDF化 | Word で作る見積書・案内文 | 既存のPDFやスキャンPDFには使えない |
| Office の「図の圧縮」→PDF化 | 写真を貼った報告書・提案書 | PDFにする前の文書でしか使えない |
| Mac「プレビュー」の Quartzフィルタ | Mac で開ける既存のPDF | 解像度を選べず、画質が落ちすぎることがある |
| PDFを分割して複数のメールで送る | ページ数の多い書類 | 受け取る側の手間が増える |
標準機能でPDFを軽くするときの限界
Word の文書をPDFにするときは、保存の画面で「最小サイズ(オンライン発行)」を選ぶと、印刷品質より容量を優先したPDFになります。Mac では標準の「プレビュー」で「書き出す」を選び、Quartzフィルタの「ファイルサイズを減らす」を指定すれば既存のPDFを軽くできます。ただし Word の設定は新しくPDFを作るときにしか効かず、スキャナで取り込んだPDFには使えません。プレビューの方法は解像度を細かく決められないため、画質が落ちすぎることもあります。どちらも使えない場面では、既存のPDFを圧縮できるツールを使うか、ページを分けて送るのが現実的です。
DP-BOX TOOL の DPPDF でPDFを圧縮する手順
整備システム・整備ソフト DREAM POWER をお使いなら、Vol.650で搭載された無料の業務ツール群 DP-BOX TOOL の「DPPDF」でPDFを圧縮できます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER の画面で「サービス」>「便利ツール」から開きます。ブラウザで動くのでインストールは要らず、会員登録やログインも不要で、追加料金や回数の制限もありません。開き方はDP-BOX TOOL の開き方にまとめています。
- DPPDF を開き、「圧縮」を選びます
- 圧縮したいPDFをドラッグするか、クリックして選びます
- 圧縮の方式を選びます。文字を選択できるまま縮める「文字を保持して軽量化」と、ページを画像として作り直す「画像として再圧縮」の2つがあります
- 圧縮の強さを、最小サイズ(72dpi)、標準(150dpi)、高画質(300dpi)から選びます。画質はスライダーで調整し、左ほど軽く、右ほど高画質になります
- 「圧縮して保存」を押し、保存されたPDFを開いて、小さい文字や印影が読めるか確かめます
データの扱い:強い圧縮だけ一時的にサーバーで処理
DPPDF の編集は原則としてブラウザの中で処理され、サーバーには保存されません。ただし「文字を保持して軽量化」を選んだときだけは、そのPDFを一時的にサーバーへ送って圧縮し、処理後ただちに削除します。保存も記録もしません。画面にもその旨が表示されます。なお DPPDF では、Word・PowerPoint への変換、パスワードを付けての保存、PDF内の文字の書き換え、文字起こし(OCR)も同じように一時的にサーバーで処理します。ブラウザの中だけで終わるのは、結合・分割・並べ替え・回転・削除・「画像として再圧縮」・Excel への変換です。
社外に一切出せない書類の場合は「画像として再圧縮」を選んでください。こちらはサーバーを使わず、ブラウザの中だけで処理します。写真やスキャン中心のPDFに向いていますが、文字は画像になるので、圧縮後は検索やコピーができません。データの扱いの全体はDP-BOX TOOL のデータの扱いで説明しています。
| DPPDF の圧縮方式 | 処理する場所 | 向いているPDF | 圧縮後の文字 |
|---|---|---|---|
| 文字を保持して軽量化(推奨) | 一時的にサーバーで処理し、すぐ削除 | 見積書・明細など文字中心のPDF | 選択・検索できるまま |
| 画像として再圧縮 | ブラウザの中だけ | スキャンした書類、写真の多いPDF | 画像になる(検索・コピー不可) |
圧縮の前に、不要なページを消したり、複数のPDFを1つにまとめたりするのも同じ DPPDF でできます。顧客情報を含む書類を送るなら、PDFにパスワードを付ける方法もあわせて確認してください。在庫車の写真そのものを軽くしたい場合は、PDFにする前に画像のリサイズと一括圧縮で縮めておくと、できあがるPDFも軽くなります。
DPPDF の2つの圧縮方式の違い
DP-BOX TOOL の DPPDF には、PDFの圧縮方式が2つあります。「文字を保持して軽量化」は、文字を選択できる状態のまま大きく縮める推奨の方式で、そのPDFだけを一時的にサーバーへ送って処理し、処理後ただちに削除します(保存・記録なし)。「画像として再圧縮」はサーバーを使わずブラウザの中だけで処理する方式で、スキャン書類や写真の多いPDFに向き、各ページは画像になります。圧縮の強さは72dpi、150dpi、300dpiの3段階から選び、画質はスライダーで調整します。社外に出せない書類は「画像として再圧縮」、検索できる状態を残したい見積書などは「文字を保持して軽量化」と使い分けてください。
よくある質問
- PDFを圧縮すると、どれくらい小さくなりますか?
- 中身によって大きく違います。スキャンした書類や写真の多いPDFは大きく縮みますが、Word などから書き出した文字中心のPDFはもともと軽いため、ほとんど変わらないこともあります。圧縮前と後のファイルサイズを見比べて判断してください。
- 圧縮したPDFが読みにくくなりました。元に戻せますか?
- 圧縮で失われた画像の細かさは戻りません。元のPDFを残しておき、解像度か画質を一段上げて圧縮し直してください。保存するときは元のファイルに上書きせず、別の名前を付けておくと安心です。
- お客様の個人情報が載ったPDFも DPPDF で圧縮して大丈夫ですか?
- 「画像として再圧縮」はブラウザの中だけで処理し、サーバーへは送りません。「文字を保持して軽量化」はそのPDFを一時的にサーバーへ送り、処理後ただちに削除します。社内の決まりで外部に出せない書類は、「画像として再圧縮」を選んでください。
- 車検証のPDFはどこまで圧縮してよいですか?
- 車検証には小さな文字や二次元コードが載っているため、72dpiまで下げると読めなくなることがあります。150dpi前後から試し、保存後に文字とコードが判別できるかを確かめてください。
- 整備ソフト おすすめを探しています。PDFの作成や送付も楽になりますか?
- 見積書や請求書をソフトから直接PDFにできれば、スキャンの手間も容量の悩みも減ります。整備システム・整備ソフト DREAM POWER では、PDFの圧縮や結合をする DP-BOX TOOL も追加料金なしで使えます。製品の比較は整備システム比較で40製品をまとめています。
出典・参考資料
- Gmail ヘルプ「添付ファイルを送信する」(添付ファイルのサイズ上限)
https://support.google.com/mail/answer/6584?hl=ja - Microsoft サポート「Outlook で大きなファイルを送信するために添付ファイルのサイズを小さくする」
https://support.microsoft.com/ja-jp/outlook/reduce-attachment-size-to-send-large-files-with-outlook - Microsoft サポート「Office デスクトップ アプリで PDF または XPS に保存または変換する」
https://support.microsoft.com/ja-JP/Office/collab-files/save-or-convert-to-pdf-or-xps-in-office-desktop-apps - Microsoft サポート「画像を圧縮する」
https://support.microsoft.com/ja-jp/office/graphics-visuals/compress-a-picture - Apple サポート「Macの『プレビュー』でPDFのサイズを減らす」
https://support.apple.com/ja-jp/guide/preview/prvw1509/mac - DP-BOX TOOL 公式の機能説明(DPPDF、2026年10月確認)
記載内容は2026年10月8日時点で公表資料を確認したものです。DP-BOX TOOL の機能は整備システム・整備ソフト DREAM POWER のアップデートで変わることがあります。
DP-BOX TOOL は整備システムの標準機能です
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